密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

図解入門 よくわかる最新SAPの導入と運用

著:村上均、監修:池上裕司

 

SAPのERPは日本を含め世界中の大企業で使われているが、いかんせん、難しい。ITだけでなく、SAP製品固有の知識、そして業務への理解が必要になる。最近流行りのアジャイルなどとは違う世界だ。

 

この本はSAP製品とはどのようなもので、どのように導入を検討してゆけばいいのか、実践的な立場から解説したものである。以下のようにERPの中核となる会計とロジスティクスの個別のモジュールの説明がある。全体的にはERPが大半だが、データベースのHANAについても載っているし、ERP以外の製品についてもCRMや人事関連など多少説明がある。

 

会計管理モジュール:

・FI-GL:総勘定元帳

・FI-AP:債務管理

・FI-AR:債権管理

・FI-AA:固定資産管理

・FI-SL:特別目的元帳

・TR:財務/資金管理

・CO:管理会計

 

ロジスティックモジュール:

・PP:生産管理

・MM:在庫管理/購買管理

・SD:販売管理

・LE:物流管理

・QM:品質管理

・CS:得意先

・PS:プロジェクト管理

 

特に、複数のモジュールを組み合わせてどのようなフローでその業務を回していくのか、という図が多く解説されている。自動仕訳の設定方法、パフォーマンスチューニングのポイント、ABAPと呼ぶ開発言語を用いたAdd-on開発の方法といった解説もある。

 

ERPを導入する場合の標準的なタスクとスケジュールの例が載っているのはとても良い。数年がかりのプロジェクトになるのが普通なので、経験のない人にはこのようなものが無いと非常にわかりにくい。このような点を含め、現場で経験のある人たちが集まって書かれた本なので、参考になる。

 

単行本、392ページ、秀和システム、2018/12/14