著:マルクス、 バラエティアートワークス
上下巻セットの漫画。マルクスの資本論を元にしている。上巻は資本論の1巻の範囲になり、下巻は資本論の2巻と3巻の範囲にあたるという。本書の司会進行はエンゲルス君で、終盤はマルクスも登場する。
ただ し、本書の注釈によれば、この本にはマルクスの哲学や思想などは入っておらず、エッセンスだけをまとめたものだからこれを読んでから資本論に進んでくださいとのこと。
上巻では、資本家の協力を得てチーズ職人の息子が工場をはじめる。労働者を安くこき使い、資本を回転させ、利潤の上げ方を覚えてゆく。労働者を調整弁にしたりするのは、派遣切りみたいである。
下巻の方は上巻の続きのストーリーになっている。事業に不況が訪れたりする。ただし、こちらはところどころエンゲルスによる解説が入る。どちらも易しいが、この下巻の方がより勉強にはなるかもしれない。簡単に読めるのはありがたい。
上巻:文庫、174ページ、イースト・プレス、2008/12/1
下巻:文庫、180ページ、イースト・プレス、2009/4/28