著:クレイトン・クリステンセン 、ジェフリー・ダイアー 、ハル・グレガーセン 、訳:櫻井 祐子
破壊的イノベーションをおこす方法を習慣的に個人と組織に組み込む方法について解説した本。
約30名の大物へのインタビューや5000名超のイノベーターへの調査結果を反映しているという。実際、ケーススタディーが豊富で、たくさんの事例が紹介されている。
そういった著者達の研究成果によると、イノベーションを生み出す能力は後天的な要素の方が強いそうだ。
本書では、革新的なアイディアを生み出すためのモデルは、以下の要素で構成されていると紹介されている。
1.イノベーションに取り組む勇気
・現状に異議をとなえる
・リスクをとる(スマートリスク)
2.行動的スキル
・質問力(例のひとつとして「五つのなぜ」)
・観察力
・ネットワーク力
・実験力
3.斬新なインプットを組み合わせる認知的スキル
・関連づけ思考
イノベーターDNAを組み込んでいる組織について、人材、プロセス、哲学の3つから解説している部分もある。
また、発見力(関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力)と実行力(分析力、企画立案力、行き届いた導入力、規律ある実行力)のバランスを説いている。
イノベーティブな企業は、イノベーションは一部ではなく組織全員の仕事であることをはっきり打ち出し、破壊的イノベーションが自社のイノベーションポートフォリオの重要な部分をなすように図り、少人数のプロジェクトをいくつも作って新しいアイディアを次々市場に送り込んでいる。
著者たちちは、「行動を変え、思考を変え、組織を変えよ」と歯切れよく述べている。
単行本、336ページ、翔泳社、2012/1/18
イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,ジェフリー・ダイアー,ハル・グレガーセン,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/01/18
- メディア: 単行本
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