著:立野新治、黒城ろこ、サイドランチ
2005年に株を始め、失敗の中でいろいろ学び、その後市場全体が盛り上がっていく中で億越えを達成した経験を、漫画の主人公に反映させて説明した本。適時、文章解説が入っている。
2005年以降、ライブドアショック、リーマンショック、ヨコヨコ相場、金融緩和で上昇相場がおきたこと、といった過去の出来事が、著者の投資経験と合わせて説明している。
主人公に投影された例を見てもらうことで、市場感を養い、それに合わせて投資法を選択することの大切さを理解してもらうことを主眼に置いてある。なので、細かいテクニック的なことはあまり書かれていない。
情報は特殊なものに頼る必要はなく、一般的なものをきちんと読み解けばよいとしている。
信用取引は実際にこの制度を活用している市場参加者がたくさんいるのだからそれを理解せずに市場に参加するのは危険であり、仕組みや影響を正しく理解するためにやった方がいい。
株の格言として推しているものとして、3つを挙げているページもある。「休むも相場」「木を見て森を見ず」「人の行く裏に道あり花の山」の3つである。ただし、最後のひとつについては、「多くの人の視点を考えて、その裏をとれる根拠まで考えてポジショニングする」ということだとしている。
大きなポジショニングをすると焦ってしまったり、損切りしたくないという感情が働く。つまり、ドキドキするようなポジショニングの量は、そもそもトレードに適していないので、少量からはじめて学習した方がいい。著者も、大学生のころには、バイトで集めた少額資金で最低限の売買を繰り返し、その一方で経済のことを調べていろいろ学んでいったという。
テーマ株は業績に先行して上昇するが、必ずしも業績があがるとは限らない。割安株はなぜ割安なのかを考え、現在ではなく将来の姿も考えて投資の判断を行う。リスクオフの初動はディフェンシブ銘柄でも売られる。SNSの影響力とうまくつきあう。
刻一刻と変化する相場に対応して自分を変化させて変えてゆく。個人は相場を休んでもいいのだから、そういうときは上昇相場への備えをしておく。
漫画中心なので、読みやすく、気楽に読める。2時間で読めるとなっているが、本を読みなれている人なら、その半分以下の時間で終わるくらいのボリュームである。エッセンスはわかりやすい。
単行本、160ページ、池田書店、2019/3/20
マンガでわかる15年勝ち続ける億超え投資家の株の基本 [ 立野 新治 ]
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