密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

ウルトラ図解 関節リウマチ: 病気を進行させない早期対応と治療の最新知識

監修:宮坂 信之

 

 関節リウマチは、関節包の内部にある滑膜で免疫細胞が間接組織を破壊することで発生する。ただ、初期の段階では、間接の変形はいきなり現れるわけではなく、こわばりや関節のはれが起き、倦怠感や微熱がある。

 

 関節炎の痛みや腫れは、複数の関節で発生する多発性があり、左右どちらにも発生する対称性があり、やがて体のあちこちで生じる移動性もある。

 炎症が血管に広がるものもあり、これを「悪性関節リウマチ」と呼ぶ。また、関節リウマチは、心筋梗塞や骨粗しょう症、シェーグレン症候群といった合併症を引き起こしやすい。

 

 関節リウマチの原因はいまだにきちんと解明されていないが、遺伝的要因に、喫煙・ストレス・ホルモンの変化といったことが加わることで発症しやすくなるといわれている。

 日本では人口の0.6~1.0%の患者がいると推測されている。80%が女性である。30~60歳までの発症が多い。70歳以上で発症する人は3%程度しかいない。

 

 リウマチは、かつては治らない病気の代名詞だった。しかし、メトトレキサートと生物学的製剤の登場で、大きく変わった。両者は併用もできる。

 メトトレキサートは6割の患者で効果があり、3割の人が寛解する。生物学的製剤はサイトカインの放出や働きを阻害する。代表的なものとしては、TNF-αを標的とするもの、インターロイキン6を標的にするもの、T細胞の活性化を抑えるものがある。

 いずれにせよ早期発見・早期治療が重要で、早いうちから積極的に効果の高い薬を使うようにする。痛みや炎症を抑えるために抗炎症剤も併用する。

 即効性があるが長期使用は避けるべきものとしてステロイド系の薬もある。2013年からはJAK阻害薬という炎症にかかわる酵素を阻害してサイトカインの働きを抑える新しい薬が登場している。

 

 診察には、問診や触診、血液検査が行われる。血液検査では、まず以下を見る。

・血沈:炎症がある場合は赤血球の沈む速度が増すので増加する。

・CRP(C反応性たんぱく):身体に炎症があるときにたくさん作られるたんぱく質。

・それ以外に増加するもの:血小板、グロブリン、アルカリホスファターゼ。

・減少するもの:血色素量、血清たんぱく、血清アルブミン。

 

病気の判定においては、関節の状況とともに、以下の血液検査での免疫反応も確認する。

・リウマトイド因子:血中に含まれるIgG(免疫グロブリンG)をターゲットにする自己抗体

・抗CCP抗体:滑膜で作られる抗体。早期診断に役立つ。

・メタロプロティナーゼ3(MMP-3):炎症症サイトカインの刺激で増加する。炎症が収まると減少するため治療の効果を確かめるためにもつかわれる。

 

 一度変形してしまった関節は治らないので、ひどい場合は手術を行う。身体機能維持や日常生活の質の維持を目的としてリハビリも行う場合もある。

 

 リウマチは大変な病気であるが、薬の発達によって対処できる病気になってきた。テーマごとに見開きで左ページが図解、右ページが解説となっている。あくまでも一般向けで、わかりやすく書かれている本である。

 

単行本、159ページ、法研、2019/3/8

ウルトラ図解 関節リウマチ: 病気を進行させない早期対応と治療の最新知識 (オールカラー家庭の医学)

ウルトラ図解 関節リウマチ: 病気を進行させない早期対応と治療の最新知識 (オールカラー家庭の医学)

  • 作者: 宮坂信之
  • 出版社/メーカー: 法研
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: 単行本