著:小林 真美
ビジネスにおけるアメリカ人の考え方や常識が日本人とどう違うか、どのように対応するのがよいかということを説明した本。
・アメリカ人のビジネスエリートはアメリカのことしか知らない。
・日本人なら10できなければ「できる」と言わないことを、アメリカ人は0.5できれば「できる」と捉える。
・会議では発言し、良い結論に導くことが貢献だと考えられる。
・ビジネス全般に、アメリカは予習型、日本は復習型。
・日本人は始まりの時間に厳格だが、アメリカ人は終わりの時間に厳格。
・FairとIntegrityが重要視される。
・「英語が苦手です」と言ってはいけないし、Sorryを繰り返す人は信頼されない。
・「言わなくても通じるだろう」は通用しない。
・「こんな質問をしていいのか」と、ためらわない。
・自信がなくても「できます」「やります」と言い、できなくてもポジティブに。
・腹から大きな声で話す。
・自己紹介のときは自分の実績を自慢する。面接のときは堂々と自己アピールする。
・交渉はWin-Winになるように「お土産」を用意する。
・交渉や報告は数字を使う。締め切りを厳守する。
・同じあいづちを繰り返さない。
・メールは長々と書かず、要望や理由を端的に伝える。
・文章は型を意識しPEEL方式で書く。
- Point:もっとも読み手に伝えたいこと
- Evidence:統計、事実、引用、専門家の意見
- Explanation:Evidenceがなぜポイントをサポートするのか
- Link:Evidence/ExplanationがPointにどう結びつくのかのまとめ、あるいは次へのつなぎ
ビジネス英語を中心とした英語の上達方法についても触れられており、できる上司や外国人を真似る、といったようなことが書かれている。また、後半では、役に立つ表現集もある。
個人的に、外国人と話したり仕事をする機会はよくあり、本書に書かれていることには思い当たることがいくつもある。アメリカ人特有のことも書かれてあるが、これは日本人以外の国の人はたいていそうだ、と思うことも少なくない。
日本人は外国人と接するときには「英語」にとらわれがちになるが、実際は、言葉だけでなく、考え方や作法の違いも大きい。意思疎通さえできるのであれば、むしろ言葉よりそちらの方が問題になるケースも少なくない。
実際に外資系で働いてきた経験だけでなく、講師として教えてきた経験に基づきかかれてあるので、日本人とアメリカ人がどういうポイントでズレが生じたり低評価に甘んじてしまったりしがちなのかが、わかりやすく書かれている本になっている。
新書、199ページ、幻冬舎、2018/9/27