著:浅田 次郎
母の命を乗せて走る100マイルの物語。
これは泣ける。確かに泣ける。
かつての事業の成功は過去のものとなり、
離婚して妻子とも別れ、苦しい生活を続ける城所安男。
そんな男が、重度の心臓病を抱え生命の危機を迎えた母親を、借りたワゴン車に載せ、160Km先のアメリカ帰りの名医の元へ走る。
高男、優子、秀男。貧乏な家庭から巣立った兄弟たち。
マリ。英子。片山。藤本医師。曽我医師。
様々な想いを燃やして走る安男。
そして。。。
A hundred miles, a hundred miles
A hundred miles, a hundred miles
You can hear the whistle blow
A hundred miles
少々無理のあるストーリのようにも思われるが、
深い余韻を、心に残す作品だった。
文庫、293ページ、朝日新聞社、2000/10/1