著:吉田 麻也
読みながら、サッカーの世界トップリーグのひとつイングランドのプレミアリーグで、厳しいポジション争いをしながら苦闘している著者の姿が浮かぶようだった。サッカー日本代表のセンターバックでもある吉田麻也選手の本。
子供のころからプロのサッカー選手になった経緯も振り返っているし、名古屋グランパス時代、オランダのVVVフェンロでのことも語っている。また、一部日本代表でのプレーのことも書かれている。ただ、この本での中心になっているのは、イングランドのプレミアリーグのサウサンプトンでのことである。
プレミアのデビュー戦。ピッチに立って7分後に、あっさり裏を取られて得点されてしまう。フィジカルが要求される激しいプレー。ディフェンダーのさりげないボールコントロールやインターセプトであっても、良いプレーには拍手や感嘆の声を送る目の肥えたイングランドのサポーター。毎シーズンのように監督が代わり、強力なライバルが現れる。
英語の苦労。海外に移籍すると、プレー以前に私生活の環境を整えるのに苦労すること。なかなか試合に出られず、メンタル的に厳しい時期を経験する。地道に取り組んだフィジカルの改善。ケガとの闘い。妻のサポート。
「アジア人としてここで成功する」という意識が、「プレミアリーガーとして成功すること」に変わっていったこと。「剛」に必要なフィジカルと、「柔」に必要なインテリジェンス。イブラヒモビッチをはじめとする世界一流のプレーヤーとの対峙とそこから学んだこと。フリーキックの練習もしていたことは知らなかった。
「おわりに」では、レジリエンスに必要な要素として、まとめを兼ねて以下のものが挙げられている。
・弟力
・英語力
・選択力
・アジャスト力
・スルー力
・反発力
・リスペクト力
・バランス力
巻頭部分は子供のころやプレーの様子などのカラー写真が収められている。ロシアワールドカップ前に出版されているので、ロシアワールドカップの様子は書かれていない。
単行本、266ページ、ハーパーコリンズ・ ジャパン、2018/6/1
吉田麻也 レジリエンスーー負けない力 (ハーパーコリンズ・ノンフィクション 28) [ 吉田麻也 ]
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