著:丸山貴史、監修:今泉忠明、イラスト:サトウマサノリ&、エタケヨーコ、海道健太
今まで地球上に登場した生物の種のうち99.9%が絶滅しているという。よく売れているようなので、読んでみた。カラフルでコミカルな感じのイラストと大きめの字で、子供でも読める。
絶滅の原因は、大きく分けて、地球環境の変化と他の生き物のせいである。圧倒的に多いのは大火山噴火・隕石・寒冷化・温暖化といった地球環境の変化である。次いで多い原因は他の生物との生存競争の結果。3番目は人類によるものである。
ただ、人間が何らかの記録を残して絶滅したというような例を除き、明確な証拠がある例は少ない。本書で取り上げられている例も、あくまでそういう説がある、というものになる。以下のようなものが紹介されている。
- ステラーカイギュウ:動きが遅く仲間が攻撃されると集まる習性があるので短期間に人間に絶滅させられる。
- ドードー:天敵のいない島の飛べない鳥。人間に狩られ、人間が連れてきた犬やネズミに卵が食べられた。
- ディアトリマ:哺乳類の進化により絶滅。
- ヘリコプリオン:より素早く魚をとる魚竜の登場で消滅。
- ティタノボア:直径1mの巨大な蛇だが、大きすぎて温度変化に弱く、気候変動で絶滅。
- マストドンサウルス:ワニに比べ乾燥に弱く、地球環境の変化で消滅。
- ステゴサウルス:草食だがかむ力が弱くてシダ類などしか食べられず、植物環境の変化で全滅。
高山で生き延びたライチョウや深海で生き延びたシーラカンスといった、なんとか生き延びた生物も掲載されている。
人類のせいあるいは人が持ち込んだ犬猫で絶滅というものが結構多く、今さらながら考えさせられる。絶滅を面白おかしく取り上げるのはどうかと思うのはあるが、読みやすくわかりやすく書かれている。
単行本、192ページ、ダイヤモンド社、2018/7/19
わけあって絶滅しました。 世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑
- 作者: 丸山貴史,今泉忠明,サトウマサノリ,ウエタケヨーコ,海道健太
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/07/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)