密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)

編集:朝日新聞科学グループ


102の常識を、「身体・生命」「食品・栄養」「身のまわり」「地球・気象」「資源・素材」「宇宙」「生物」「IT」の7つの章に分けて掲載。元々一般新聞用に書かれていて、図や写真も豊富で、文章も大変わかりやすく書かれている。よって、普段科学に縁のない人や、関係知識に乏しい方でも十分読めると思う。

 

「あなたの身近に"サラブレッド"(中距離用に交雑された馬)がいても、人生は瞬発力や持久力も必要な障害レース。勝負はわからない」。


 ひとつひとつの内容は平易である。自分の専門分野などは、え、これだけか、といった感じすらある。ただ、この102全部について知っているという人は少ないでしょう。たとえば、「真空って何?」とか「ジェットとロケットって何が違うの?」「葉っぱはどうして赤や黄色になるの?」と子供に聞かれてちゃんと説明できる大人は何%いるだろうか。そういう意味では、タイトル通り「今さら聞けない科学の常識」を補うには格好の一冊である。

T Vで時々紹介されるサンゴの産卵のシーンで出てくるものは、実は卵ではなく、「精子と卵が一緒に入ったカプセル」というのは知らなかった。また、「うるう秒」の調整のルールや仕組みとか、宇宙服は一着11億円で14重でその下にさらに紙オムツ、といったのはトリビア的。コンピュータ・マウスの複数形はmiceというのは、まあ言われてみればだけれども、今まで考えたことは無かった。個人的には、結構楽しく読めた上に、知っているつもりで実はよく知らなかったこともいくつかこっそり理解できた。

 

新書、320ページ、講談社、2008/6/21

今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)

今さら聞けない科学の常識―うろおぼえを解消する102項目 (ブルーバックス)

  • 作者: 朝日新聞科学グループ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/06/21
  • メディア: 新書
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