密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

江戸の家計簿 (別冊宝島 2439)

著:磯田道史

 

 江戸時代の物価を現代感覚で表現するのは難しい。今のような大量生産・大量輸送が容易ではなかったから、相対的に労働の価値に比べてモノや食料の価値が高い。

 それでもあえて、江戸時代中期(18世紀初頭)の収入や物価を現代感覚ではいくらになるのか、ということを目安として示したムック本である。すべてカラー印刷で、当時の風俗を示す浮世絵などが紹介されている。

 収入に関しては、将軍(463万石・463万両・1兆3,890億円)、遠山景元(1050石・1050両・3億1500万円)、50俵3人扶持の武士(20.3両・609万円)、農民(13両750文・395万円)といったように目安が載っている。職人については大工が高く、石切・畳職人などは日給1万5000円ほど。髪結職人が月収60万円といった感じで紹介されている。

 食品で目を引いたのは、シーボルトが29種載せているというように、鳥類が多く食べられていたこと。トキは駆除の対象になるくらい多かったし、鳩・雀・鴨・雉・ウズラなどが登場し、魚と比べてもそれほど高い値段ではない。そういう存在だったのだ。さらには高級食材として鶴も登場する。ドジョウ鍋、ウナギのかば焼き、醤油、桜餅なども登場する。

 ひとつの目安としてみるには面白い。ただ、薄いムック本ということもあり、それほど突っ込んだ内容ではない。尚、この本は、その後、同じ趣旨で新書も出ている。

 

大型本、95ページ、宝島社、2016/3/10

江戸の家計簿 (別冊宝島 2439)

江戸の家計簿 (別冊宝島 2439)

  • 作者: 磯田道史
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2016/03/10
  • メディア: 大型本
 
江戸の家計簿 (宝島社新書)

江戸の家計簿 (宝島社新書)

  • 作者: 磯田道史
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2017/01/10
  • メディア: 文庫