密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

問題は在日ではなく、反日。「在日特権と犯罪」

著:坂東忠信

 

「共に日本を盛り上げ、ともに世界に貢献できる日本国民であることを喜び合える他民族出身の帰化人や、共に日本に住む仲間であることを喜び合える外国人なら、日本人の多くはその共存共栄を拒否することがないどころか、むしろ歓迎し調和を喜ぶでしょう」。

 
 より正確には、在日というより「反日」という視点から、在日特権や犯罪の問題について論じた本。著者は元警察庁刑事・通訳捜査官。

 著者によると、いわゆる在日特権には以下の4つがあり、これらが複合して、脱法あるいは発見されにくい違法行為を実行可能にする隙間が生まれているという。

 既に封じられているものも混在しているのでどれが現在も残っているのか少しわかりにくいところがあるが、ここは読みごたえがある。

 

1.在日朝鮮民族固有の「特権」

2.一般外国人にはない「特別永住者」としての「優遇」

3.日本人にはありえない外国人としての「メリット」と「裏ワザ」

4.民族団体の組織力で勝ち取った生活保護手当受給者資格と、その「扶助」

 もうひとつ本書で注目すべきは、警察庁が毎年発行している外国人犯罪統計資料には載っていない在日、つまり「永住者」「特別永住者」「永住者の配偶者」についてのデータである。日本人を1とした場合の在日の犯罪率は注目に値する。

 著者の主張は、けして在日の排除などではない。在日かどうかは出身の由来に所属するアイデンティティの問題でしかなく、いまよりずっと広かったかつての大日本帝国にも複数の民族は共存していた。そのかつての「五族協和」を、領土的野心ではなく精神で実現できたときに、日本は国際国家になれる、とも主張している。

 問題なのは、在日向けの特別な措置を利用することでそれが結果的に在日特権と呼ばれてしまういろいろな事象や犯罪の温床になったりしていることである。そのような措置については、やはり見直してゆくべきである。

 

単行本、229ページ、青林堂、2016/10/8

在日特権と犯罪