著:長尾 孝彦
日本のユニフォームの市場は年間5000億円くらい。通常のアパレルとは違い、高い耐久性と機能性が求められ、企業によっては何年も同じユニフォームを利用するので長期間在庫を抱えて安定的に供給することが必要になる。
ユニフォームは、ワーキングユニフォーム(作業着)、スクールユニフォーム(学生服)、オフィスユニフォーム(事務服)、看護婦や料理人といったそれ以外のものをまとめたサービスユニフォームの4つの種類に分かれるという。
この本は、サービスユニフォームを供給している会社の社長が、ユニフォームの世界紹介したものである。
食品を扱う現場を清潔に保ったり異物が混入する可能性を低くする。洗浄力の高い洗剤による洗濯に耐えられるようにする。機能的で動きやすく、安全性と耐久性が求められる。勤務先が用意するためコスト意識も高い。
ユニフォームは働く人の意識にも影響を与え、プロ意識や連帯感生まれる。近年はエコ素材も利用されているという。
コーポレート・アイデンティティ(CI)を示す象徴となることもある。飲食店ではインテリアの一部になり、チェーン店ではブランドイメージを支えるものになることもある。
看護婦の制服は昔は白が定番だったが、一部アクセントに色を加えたものが受け、だんだん色が付いたものが浸透するようになったという。介護現場では利用者を抱えたりする作業が多くポロシャツが好まれる。
第2章では、原料の調達から縫製に関する、縫製会社、生地商社、生機工場、ニッター、染色、副資材の6社の関係者の紹介とインタビューがある。
第3章では、ローラアシュレイ、アシックス、JUNKO KOSHINOとのコラボレーションの紹介と対談がある。ローラアシュレイ・ジャパンが企画したナースウェアのデザインは、UKのライセンシーミーティングでも好評だったという。値段は少し張るようだがそれでも予定の3倍の受注が舞い込む人気になったという。
JUNKO KOSHINOに関しては、コシノジュンコ氏が対談に登場している。大々的に導入した病院ではチーム医療への意識を高めることに一役かったという声も紹介されている。リゾート施設やレストランや販売店などとの対談もある。
単行本だが、カラー写真が多く掲載されている。全体的には、ユニフォーム業界の会社の宣伝半分の本であるが、解説、対談、いろいろな事例の紹介を通して、ユニフォームの奥深さに触れられる本としてよくまとまっている。
単行本、256ページ、ダイヤモンド社、2017/7/6
なぜ、ユニフォームは、働く人を美しく魅せるのか?―――仕事服(ユニフォーム)の「なぜ」と「魅力」をこの一冊に
- 作者: 長尾孝彦
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/07/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
なぜ、ユニフォームは、働く人を美しく魅せるのか? 仕事服(ユニフォーム)の「なぜ」と「魅力」をこの一冊に [ 長尾 孝彦 ]
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