密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ

著:岩田 正崔

 

 年間50万人が訪れ、そのうち50%がリピーターだという。箱根ガラスの森美術館について館長自らが語った本。

 おおむね半分が写真のページとなっており、ヴェネチアングラスの逸品、館内の様子、見事な庭園、レストラン、14万5000粒のクリスタルグラスを使った全国で2位に選ばれたこともあるクリスマスツリーなど、カラー写真が数多く掲載されている。

 ストーリー性を重視していること。季節によって表情が変わる自然の特性を生かし、庭園を魅力的に維持していること。学芸員がわかりやすく作品を解説できるように待機していること。ヴェネチアングラスは熱せられたガラスの素材が冷めるまの時間が長いので薄くて軽くて細やかな細工ができること。

 仮面祭りとミュージアムコンサート。昼間に美しいクリスマスツリーという発想。企画展に必要な情報とネットワーク、そして交渉と見通しの積み重ね、そして時代に合わせた発想。女性に好まれるイメージ戦略。ミュージアムショップの運営と商品の買い付け。

 レイアウトひとつで売れ方が変わってくるという。ホテル・旅館への営業。スタッフの個性の発見や声掛け。いざというときのためのヘルメットや非常袋の常備。

 比較的高価なヴェネチアングラスの販売も行っているという強みもあるだろうが、リピーター率が高く、きちんと採算がとれるように運営できているという。よく選別された数々の写真によってビジュアル的にもその魅力が伝わってくる本になっている。巻末には、箱根ガラスの森美術館の簡単なガイドがある。

 

単行本、240ページ、世界文化社、2016/8/2

愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ

愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ