密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

著:山本 陽平

 

 Webシステムの実装に必要な基本知識をまとめて解説した本。REST(Representational State Transfer), URI, HTTP, JSON, JSONとクロスドメイン通信, RDF(Resource Description Framework)とmicroformats, Atom, OpenSearch, AtomPub, リソース設計のポイント、といったことが書かれてある。なぜSOAPからRESTになってきたのか、というような歴史的な経緯も最初に触れられている。

 適時HTMLヘッダの例やサーバからの応答メッセージの例が掲載されていて、具体的に確認できる。MIMEのタイプなどは一覧で示してある。また、Webサービスの設計においては、WebDAVのLOCK/UNLOCKメソッドを使う方法やLOCK相当の機能をWebサービスに組み込む方法などが解説されている。競合が発生したときだけ対処するために条件付きPUTを使う「楽観的ロック」についても説明されている。付録のステータスコード一覧やHTTPヘッダ一覧も、わかりやすくまとめられていて実用的なリファレンスになっている。

 全体的にWebを支える技術が適切かつ具体的にまとめられていて、少し古い本ではあるが、なかなか良い本だった。ただ、認証方式の解説でとりあげられているのがBasic認証とDigest認証、そしてWSSE認証がわずかにあるだけで、OpenIDとOAuthについてはまとめて1ページの簡単な補足説明のみになっている。

 

単行本、400ページ、技術評論社、2010/4/8 

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

  • 作者: 山本陽平
  • 出版社/メーカー: 技術評論社
  • 発売日: 2010/04/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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