密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

すべて音楽がテーマ。カズオ・イシグロの5作品を収めた短編集。『夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 』

著:カズオ・イシグロ

 

 カズオ・イシグロの書き下ろしの短編集。副題に「音楽と夕暮れをめぐる五つの物語」とあるように、全て、音楽がテーマになっており、音楽をはさんで男と女がいるストーリーが展開されている。

 繊細で品の良い文体で、「老歌手」や「夜想曲」など、5つともカズオ・イシグロらしいトーンの作品になっている。

 軽く意表を突くような展開もあることはあるが、全体的にみると、読んでいて凄く興奮するとか、とても面白いというような作品集ではない。ただ、上質で、洗練された味わいがある。

 

文庫、320ページ、早川書房、2011/2/4

 

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

  • 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/02/04
  • メディア: 文庫
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