密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

SWOTを経営に利用するための指南書。「経営承継を成功させる 実践SWOT分析」

著:嶋田 利広、尾崎 竜彦、川﨑 英樹

 

SWOTを基にした企業分析とそれに基づく経営戦略策定方法について述べられた本。著者3人は、たくさんの中小企業を中心に長年コンサルティングを行ってきた経験を持つ。SWOT分析は、以下のような2つの内部要因と2つの外部環境要因に基づいてクロス分析を行い、オリジナル戦略を立てる方法である。

 

 

 

内部要因分析

自社の強み

(Strength)

自社の弱み

(Weakness)

外部環境分析

機会

(Opportunity)

積極戦略

改善戦略

脅威

(Threat)

差別化戦略

致命傷回避・撤退縮小戦略

 

よく誤解している人がいるが、「強み」は「良い点」のことではなく、商品を買ってくれる顧客が認める優位性が「強み」である。

同時に、「弱み」は、「悪い点」「改善点」のことではなく、「機会」「可能性」に使えないネックとなっている経営資源のことである。また、「脅威」や「弱み」の分析にはあまり時間を割かない方がよいという。

 

「新商品の失敗確率を少なくする10のポイント」というのも、印象に残った。これは、SWOT分析に限らずいえることかもしれない。

・本業の「強み」をさらに強める商品であること

・商品本体(機能、価格、デザイン等)、周辺・アフター、販売方法が既存の商品と差別化されていること

・開発チームは、開発だけにとどまらず「プロダクト・マネージャ」として、販売まで責任を持つ

・いきなり開発せず、仮説・検証を繰り返し、「顧客の利点」「顧客価値」が十分反映されていること

・あらかじめ開発予算のラインを決めておく

・試作・デモ・テスト販売により顧客の意向を開発に反映させる

・万人受けを狙わず、「こだわり」「とんがり」を具体化する

・他社がすでにやっている商品なら「2番煎じ」までの商品である

・「売れる前提」ではなく「売れない前提」に時間を割くこと

・多くの社内の人間が「売れる」と思うものは、売れない場合が多い

 

基本的に、中小企業が適切なニッチ市場にターゲットを絞り差別化戦略を立ててゆくためのツールとして有効である。あまりページ数は割かれていないが、5 Force(s)分析、PEST分析、3 C分析、PPMについても言及されている。

 

単行本、232ページ、マネジメント社、2017/9/8

 

経営承継を成功させる 実践SWOT分析

経営承継を成功させる 実践SWOT分析