密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

統計学が最強の学問である

著:西内 啓

 

 大ベストセラーになった統計学の本。その有用性について実用面から解説している。果たしてどこまで一般向きといえるかどうかはともかく、ポイントを押さえながら幅広い説明を行っており、内容的自体はとても良い本です。

 前半は、あみだくじやコレラの話しでつかみはOK。しかし、本書の真骨頂といえるのはむしろ前半よりは少し難しい後半部分の方だろう。説明変数と結果変数の2つから分類した「一般化線形モデルを一枚にまとめた表」は、大変よく分類されている。

 予測それ自体が目的ならデータマイニングで、予測モデルから今後何を議論したいのであれば回帰モデルの方が役に立つというような目的視点からの違いの説明は納得感があった。

 限られた情報と仮定を組み合わせる効率が求められるならベイズを使えばいいし、可能な限り間違いの可能性を減らしたいとか十分なデータを利用できるのであれば頻度論的にp値を使えばいい。

 今はコンピュータ用に結構いろいろな分析用のソフトウェアやマクロが出ているので、このように、どういうときにはどれを使えばいいのだという取捨選択や判断の方向性を要所を噛み砕いてわかりやすく示している点はよいのではないかと思う。

 タイトルは「?」だが、中身を読む限り、単に販売促進のための方便というだけでなく、統計の専門家の1人としてこの分野の重要さに対する一種の確信や自負心のようなものもあらわしたかったのだろう、という印象を受けた。実際、ビッグデータなどの流行もあって、この分野の重要性は近年増している。

 もっとも、いくら統計分析全盛の時代で内容も良いとはいえ、あくまでも統計についての本である。いくら中身がよくてもそれだけで20万部以上のベストセラーを記録するような類の書籍だとは考えにくく、やはり本のタイトルの付け方を代表とするマーケティングの効果というのは大きいな、とも思った。

 

単行本、 320ページ、ダイヤモンド社、2013/1/24

 

統計学が最強の学問である

統計学が最強の学問である

  • 作者: 西内啓
  • 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
  • 発売日: 2013/01/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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