編集:カラーマンホール研究会
本当にいろいろなものがある。マンホールの本。その数、533枚。埼玉県行田市をはじめとするお城をデザインしたもの。奈良県斑鳩町の法隆寺や金沢の兼六園や札幌の時計台などはご当地ならでは。秋田県大仙市の大曲の花火大会の絵柄や山形県鶴岡市のツルとサクラの図柄なども目を引く。広島市には広島カープのマスコットが登場。長野にはオリンピック記念のものもある。東京都府中市の梅は枝や幹に特徴がある。富士市の富士山シリーズは特にかぐや姫と富士のデザインがよい。横浜市の箱根駅伝の図柄は昔と今が混在している。箕面市の滝とモミジは構成がいい。川口市のふじの市商店街にある星座シリーズと川口銀座商店街のモザイクタイルシリーズは確かにマニア必見といったところ。
個人的に特に目を引いたのは、マンホールの製造現場の取材。鋳物作りの現場から着色作業までの工程が紹介されている。マンホール女子座談会とか、上手にマンホールを撮影するコツなどもある。
海外でもデザインを描いたものはあるにはあるようだが、紋章のようなシンプルなものが多く、日本のように細かいデザインを描いたり、着色までしている例はないという。日本人ならではの遊び心とこだわりと繊細さを感じる。オールカラーで印刷も良好。
単行本、143ページ、グラフィック社、2015/8/7