密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

沖ノ島

著:藤原 新也

 

 沖ノ島は島全体がご神体となっており、一般人の入島は制限されている。上陸するためには裸になって海で禊をしなければならない。また、この島は田心姫(たごりひめ)という女神そのものであり、女人禁制となっている。かつて島に入る者は一木一草一石持ち出してはならないという掟もあった。

 沖ノ島を写真中心に紹介した本。巨石がいくつもあり、神社があり、手つかずの自然があり、4世紀の土器が足元に転がっている。神職が交代でこの島に来て毎日欠かさず沖津宮に祭祀を行っている。周囲4㎞の小さな島だが山岳を有していて、清水が流れ、うっそうとした木が茂り、ほとんど人が歩くことがない飛び石に苔が蒸す。なかなか立ち入りが難しいこの島の様子をとらえた写真が目を引く。

 コンパクトなサイズだが、オールカラー。写真中心であり視覚で直接的に島の様子が伝わってくるのがよい。後半には「みあれ祭」の様子を写したカットがあり、巻末には沖ノ島宗像大社の簡単な説明がある。

 

単行本、119ページ、小学館、2017/4/24

沖ノ島

沖ノ島