密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

日本ウイスキー 世界一への道

著:嶋谷 幸雄、 輿水 精一

 

 近年、世界のウイスキーの賞において、日本のウイスキーが最高賞を受賞することが増えているという。そんな日本のウイスキーの歴史と製造法を、サントリーの元蒸留所工場長と「響12年」などを生んだブレンダーの2人が解説した本。

 シングルモルト(単一蒸留所で大麦麦芽で作られた原酒)。大麦以外の原料で作られたグレーン原酒をモルト原酒に混ぜたブレンディッド。良質な水を育む森に囲まれた中に位置する日本の蒸留所。製麦の3工程(浸麦、発芽、焙燥)。ピーティング。酵母。乳酸菌。発酵。蒸留。様々な種類の蒸留器。

 樽の種類と特徴。材質として多用されるコモンオークやホワイトオーク。樽の製造法。樽の新旧の違いと寿命。新しい樽しか使わないバーボン。古い樽が向いているグレーンウイスキーブレンド後のウイスキー。貯蔵庫内の温度と湿度。輪木式、ラック式、パレット式といった樽の積み方の違い。天使の分け前。熟成途中の品質のチェック。ブレンダーの仕事。テイスティングの方法。商品化にいたるまでのプロセス。後熟。瓶詰め。おいしい飲み方。

 1970年代に世界2位の消費量だった日本のウイスキーの国内消費は近年大きく落ち込んでいる。しかし、新興国を中心に海外の消費は伸びており、ブランド力と認知度ではまだスコッチにおよばないものの、スコッチウイスキー業界は各社とも生産増や新蒸留所建設及び貯蔵庫増に踏み切っているという。本書を読んで、日本のものづくりの伝統は、こだわるポイントがたくさんあるウイスキー作りと相性がいいなと思った。

 

新書、256ページ、集英社、2013/12/17

 

日本ウイスキー 世界一への道 (集英社新書)

日本ウイスキー 世界一への道 (集英社新書)

  • 作者:谷幸雄,輿水精一
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2013/12/17
  • メディア: 新書