密林の図書室

日々読んでいる本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考え、このブログを立ち上げました。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

もっと知りたいレオナルド・ダ・ヴィンチ 改訂版: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

監修:裾分 一弘

 

 ミケランジェロラファエロに並ぶイタリア・ルネサンスの3大巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチの作品と生涯について解説した本である。2006年に一度発売されているが、「ダ・ヴィンチ・コード」のブーム以来、世界的に進んだ研究内容を反映して全面改訂されたという。

 

 レオナルド・ダ・ヴィンチは残された作品が極端に少ない。その一方で、たくさんの素描と手稿が残されており、弟子のフランチェスコ・メルツィが整理し模写したのちに散財したそれらの収集と研究を通じて、レオナルドがいかに科学的に人や自然を徹底的に観察・研究し、その成果を作品に反映していることが分かっている。

 防腐剤も無い時代に、悪臭と闘いながら20体以上も人体の解剖を手掛け詳細にスケッチしているし、飛行に関する研究も有名だ。地動説が登場する100年前に既に「太陽は動かない」と説明している記述が残されている。素描についても、部分を正確に研究してち密に描き方を研究している。

 

 若いころから才能は豊かであったようだ。師であるアンドレア・デル・ヴェロッキオは、彫刻、絵画、鋳造、工学、数学、建築といった幅広い分野に精通した進歩的な人物であったとされるが、工房として「キリストの洗礼」を制作したとき、レオナルド担当部分の天使のあまりの見事さに、その後絵筆をとらなくなったという。

 

 「受胎告知」「岩窟の聖母」「モナリザ」「最後の晩餐」「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」と、残存する作品は名作ばかり。21世紀に入って真作であることがわかった「サルバトール・ムンディ」は、今のところ絵画史上の最高額となる4億5030万ドルで取引されている。ミケランジェリと仲が悪かったことや、女性に関心がなくかといって男色とする根拠も無いことにも言及されている。

 

 薄いが、ムック本サイズでオールカラー。多くの資料がカラー印刷で掲載されており、視覚的にもこの類まれな巨匠について理解しやすくまとめられている。

 

単行本、79ページ、東京美術、2018/2/28

 

もっと知りたいレオナルド・ダ・ヴィンチ 改訂版: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

もっと知りたいレオナルド・ダ・ヴィンチ 改訂版: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

  • 作者: 裾分一弘
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 単行本