著:世界文化社
紅茶の本。少し小さめの新書サイズ。オールカラーで写真が豊富。農園や加工現場、様々な種類の紅茶の紹介が行われている。
紅茶の味を決めるのは、気候条件、環境、土壌、季節、摘み取り方、萎凋、そして発酵。春の新茶はグルナッシュと呼ばれる清々しさ、二番茶(夏摘み)は香りの高さ、三番茶(秋摘み)はふくよかな味わいがあるという。
リーフは上から順に、1. Tip(FOP: Flowery Orange Pekoとも呼ぶ)、2. OP(Orange Peko)、3. P(Peko)、4. PS(Pekoe Souchong)、5. S(Souchong)と呼ぶ。種類は小さな葉で耐寒性のある中国種と、大きな葉がつく大木のアッサム種の2種類だが、近年はこの2つの種の交配種が多い。
紅茶の工程は、摘採(Plucking)→萎凋(Withering)→揉捻(Rolling)→発酵(Fermentation)→乾燥(Firing)→仕上げ(Finishing)→評価鑑定(Tasting)。ただし、アッサム地方では揉捻の代わりに茶葉を切断し、CTC(Crush Tear Curl)製法を行う。
他にも、各地の紅茶の紹介、紅茶のいれ方、日本の紅茶、食器、ショップの紹介、簡単な年表、世界の紅茶のブランドの紹介、などがある。紅茶入門的としては悪くないし、ページをめくりながらいろいろ選んで楽しみたくなる。ただ、個人的には、食器の紹介欄に国内のブランドしか登場しない点と、アフタヌーンティを楽しめるホテルの紹介が東京しかない点が少し物足りなかった。
単行本、192ページ、世界文化社、2015/7/16