密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

MOA美術館

著:MOA美術館

 MOA美術館は、終戦直後の混乱期に日本の文化財散逸を防ごうと岡田茂吉が収集したコレクションを中心に、1982年に熱海市に作られた。そして、2016~2017年に大規模な改修を行い、ロビーや展示空間は、日本の伝統的な素材や技法を用いて生まれ変わった。

 MOA美術館のガイドである。数々の収蔵作品の紹介が中心ではあるが、それを収める美術館そのものの見事さも味わえるようになっている。再現された、豊臣秀吉の「黄金の茶室」。工夫された特別室での野々村仁清「色絵藤花文茶壺」の展示。展示される銘品を鑑賞する際に、ガラスケースへの映り込みを避ける黒漆喰の壁。光琳自筆の間取り図から再現した「光琳屋敷」。四季折々の景色が味わえる庭園。

 この美術館が誇る収蔵作品の数々も、絵画、仏教美術、書跡、陶磁器、木工・漆芸・金工に分けて、数多く掲載されている。尾形光琳紅白梅図屏風」。酒井抱一「雪月花図」。勝川春章「婦女風俗十二カ月図」。「不動明王二童子像」。「釈迦八相図」。「聖観音菩薩立像」。「阿弥陀如来及両脇侍坐像」。「色絵桃花文皿鍋島」。「散蓮華蒔絵経箱」。他。

 単行本サイズだが、巻末の資料の数ページを除いてオールカラー。印刷も編集も良い。実際にMOA美術館へ行ったが、優れた収蔵品だけでなく、美術館自体もひとつの作品のようによく作られていた。

 

単行本、151ページ、東京美術、2017/2/9

 

MOA美術館

MOA美術館

  • 作者: MOA美術館
  • 出版社/メーカー: 東京美術
  • 発売日: 2017/02/09
  • メディア: 単行本