密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

トコトンやさしいアミノ酸の本 (今日からモノ知りシリーズ)

著:味の素株式会社

 

 タンパク質はアミノ酸がつながってできている。よって、アミノ酸は生き物に欠かせない物質である。アミノ酸はペプチド結合(アミノ基とカルボキシ基がつながった結合)によってペプチド(アミノ酸が2~数十個つながったもの)になり、さらに数百以上つながってタンパク質となる。人間は20種類のアミノ酸から10万種類のたんぱく質を生成して身体を作っている。消化吸収では逆に食べたタンパク質をアミノ酸に分解させて、体内で利用するための原料にしている。

 アミノ酸について説明した本。味の素(株)のチームが執筆している。見開きで右ページが文章、左ページが図表や絵という構成になっている。

 9種類の必須アミノ酸トリプトファン、リシン、メチオニンフェニルアラニン、トレオニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、ヒスチジン)。11種類の非必須アミノ酸(アラニン、アルギニン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸システイン、セリン、プロリンアスパラギンアスパラギン酸チロシン)。アミノ酸には、必須アミノ酸アミノ酸かという分類以外にも分類方法があり、芳香族アミノ酸か脂肪族アミノ酸か、中性アミノ酸か酸性アミノ酸塩基性アミノ酸か、という分類が紹介されている。

 自然界にはタンパク質に構成されない非たんぱく質アミノ酸も200種類以上が知られている。これらの中には医薬品、農薬、健康食品に利用できるものもあることがわかってきて実用化されたり、研究が進められているという。

 うまみ調味料として知られるグルタミン酸は、糖蜜に微生物を加えて発酵させることで大量生産している。培養によって生成したグルタミン酸を結晶として沈殿させ、水酸化ナトリウムを加えることでグルタミン酸ナトリウムになる。原料となる糖蜜は、サトウキビ生産が盛んな国ではサトウキビのしぼり汁から砂糖を取り出して残った液体を使うが、欧米や中国では砂糖ダイコンの糖蜜やトウモロコシが使われる。アミノ酸を取り出した残りには窒素や有機物が多く含まれているので、それらは飼料や肥料に使われている。

 アミノ酸はうまみだけでなく様々な形で健康にかかわっている。ただし、ヒトは無制限にアンモニア代謝できるわけではなく1日に250gくらいだといわれている。アミノ酸が分解されるときにアンモニアが出て尿素として排泄されるので、その能力には限界がある。ただし、ヒトは平均で1日70gくらいしか代謝していないので、サプリなどで大量にとらない限りは問題ない。

 アミノ酸の発見や生成の歴史、計測方法、甘味料や医療への応用といったことも載っている。生体内のアミノ酸はほとんどがL型だが、最近D型のものも発見されていて新たな機能成分として研究対象になっているという。勉強になった。

 

単行本、160ページ、日刊工業新聞社、2017/3/29

 

トコトンやさしいアミノ酸の本 (今日からモノ知りシリーズ)

トコトンやさしいアミノ酸の本 (今日からモノ知りシリーズ)

  • 作者: 味の素株式会社
  • 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
  • 発売日: 2017/03/29
  • メディア: 単行本