密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

国鉄特急形直流電車 形式183・185・381系

 かつて国鉄時代に主力車両として活躍し民営化してJRとなった各社にも引き継がれた3つの系統の特急型直流電車のガイドブックである。巻頭部分と後半の一部がカラーで、あとは白黒印刷。ムック本サイズで275ページ。

 総武本線用の近距離特急および地下区間やトンネル内の火災事故防止のための難燃化対策として1972年に投入された183系。豪雪に弱かった「とき」の181系の置き換え用として183系1000番台も開発された。碓氷峠を越える横軽対策が施された189系についても載っている。185系は、153系の置き換えとして普通列車から特急列車の幅広い用途をこなすために開発され、1981年に伊豆への「踊り子」に充当されて人気が出た。大宮と上野の間の新幹線リレー号として使われたり、新特急という区分で活用されたりした。182系は、「振り子電車」としてカーブの多い区間でもスピードを出して在来線の時間短縮を実現するために開発された。

 車両の型番ごとに写真と概要図面および解説が載っている。183・185・189・381系の全履歴は型式と年のマトリクス形式で非常に細かい表になっている。このあたりのデータには多くのページが費やされている。また、「あまぎ」を名乗った189系ブルートレインと並走しているカットをはじめ、当時の写真が掲載されている。

 

目次
1. 国鉄末期からJR時代を支えた直流特急
2. 直流特急なつかしグラフ
3. やくもブランド
4. 特急形直流電車 色いろバラエティ
5. 183・189・185・381系詳説ガイド
6. 183・189・185・381系の全履歴
7. 183・189・185・381系の諸元表

 

ムック本、275ページ、イカロス出版、2016/12/10