密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

モビリティー革命2030 自動車産業の破壊と創造

著:デロイト トーマツ コンサルティング

 

 「パワートレーンの多様化」「クルマの知能化・IoT化」「シェアリングサービスの台頭」という3つの要因から、今後のクルマ社会及び自動車関連産業(修理や自動車保険も含む)に起きることを予測して、どのように対処すべきかの意見を述べた本。

 行間が広く上下左右の余白も広く、見た目ほど字数は無いので、読むのに苦労はいらない。写真はないが図表は多く掲載されていて理解を助ける。データよりも概念図が多い。プレゼン資料を並べて、それに解説文を加えたものが続いている感じである。

 一方、技術的な解説にはあまり主眼が置かれていない。技術標準化やセキュリティの問題についてもほとんど触れられていない。あくまでも大きなトレンドと方向性について論じている。よって、この分野について詳しくない人でも、それほど敷居の高い本ではない。

 個人的には、AIやクルマの自動運転やIoTについてはホワイト・ペーパー類やインターネットのサイトや本をいろいろ読んでいるため、それほど新しい発見はなかった。あまり詳しい本ではなかったし。ただ、わかりやすく書かれてはいるし、スライド的な概念図は手際よくまとめられているものがいくつかあるし、何かおかしなことが書かれているわけではないし、大きな潮流について広い視点でポイントを押さえて説明しているという点からいえば悪くない内容ではあるので、これから勉強するという人にとっては参考になるかもしれない。いずれにせよ、自動車産業はその周辺も含めると大きな影響力を持っているが、2030年の自動車関連産業の姿は現在とは大きく変わっている可能性が高いことは否定できない。

 

単行本、238ページ、日経BP社、2016/10/6