密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

「会社四季報」業界地図 2018年版

編:東洋経済新報社

 

 2018年版である。単に前年からのアップデート情報が載っているだけでなく、特に最初の方の「注目業界」では、旬のネタをまとめて取り上げてあって、参考になる。この版では、AI, VR, ドローン, IoT・ビッグデータフィンテック、自動運転といったテーマが取り上げられている。東京五輪東芝もある。

 どういう業界にどういう企業があって、どういう関係なのか、大手はどこか、その業界の大きなテーマや課題は何か。そういったことをざっとつかむにはこの本はうってつけである。少子高齢化の影響もあり、日本経済は世界的な存在感という点では緩やかに地盤沈下を続けている感が強い。実際、いろいろな業界の地図において、国際的な企業として中国・韓国・台湾の会社名が数多く登場しており、時代の変化を感じずにはいられない。

 各業界別では、左側の「四季報記者のチェックポイント」がわかりやすい。「EUの仕組み」なんて一見簡単な図だけれども、これがちゃんと頭に入っている日本人はあまり多くないだろう。ハイテク業界のように浮き沈みの激しい世界の全体動向の確認にも役に立つ。

 

 以前、ライバル誌のものを買ってみた年もあるが、こちらの方が断然質が良い。毎年買っているが、毎年発見がある。世界は動いているし、日本企業もそれぞれの業界の中で、激烈な競争と向かいあいながら、なんとか活路を見出して生き抜こうとしている。そういうこうとが見えてくる本である。

 

ムック本、280ページ、東洋経済新報社、2017/8/25

 

「会社四季報」業界地図 2018年版