密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

コトラー 新・マーケティング原論

著:フィリップ・コトラー、ディパック・C.ジェイン、スヴィート・マイアシンシー

 

 「ホリスティック・マーケティング」について説いた本。ここで著者が述べている「ホリスティック・マーケティング」とは、需要、経営資源、ネットワークのマネージメントを統合し、優れたバリュー・ネットワークを築くことである。

 薄くて軽く読める仕上がりになっている。マーケティング全般について詳しく書いてあるという本ではない。過去の製造業中心のマーケティングと情報を核とした製品やサービスのマーケティングの対比で、その違いを丁寧に述べている。特に、顧客、営業、マーケティング、R&Dの、情報やCRMを中心とした様々なつながりのあり方に詳しい。

特に、オールドエコノミー企業の典型的な以下の形を、
・資産→投入(原材料など)→製品・サービス→流通チャネル→顧客
次のように顧客中心にする、という点が印象に残った。
・顧客→流通チャネル→製品・サービス→投入→資産

 ただ、ちょっと古い本だ。実際、ここで挙げられている例には今や他社にモデルを真似られて逆襲に遭って苦戦している会社もある。かえって、いろんなことを考えさせられた。

 

 単行本、193 ページ、 翔泳社、2002/7/9

コトラー 新・マーケティング原論   HBSシリーズ (Harvard business school press)

コトラー 新・マーケティング原論 HBSシリーズ (Harvard business school press)