密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

著:アンドレアス・M・アントノプロス
訳:今井 崇也、鳩貝 淳一郎

 

 既に内容は古くなっているが、ビットコインを支える技術について詳細に解説した本。ブロックチェーンが将来どのように世界を変えるかといったような説を展開しているものではなく、あくまでもビットコインが動いている技術的な仕組みについてきめ細かく説明している。また、API経由で操作したプログラミングの例やその出力例が多く載っており、極めて具体的である。

 ビットコインとはじめ方。ビットコインの仕組み。JSON-RPC APIでの利用。公開鍵と秘密鍵楕円曲線暗号ビットコインアドレス。Base58Check。BIP。Vanity Addres。トランザクションの生成。手数料。Script言語。P2PKH。フルノード。SPVノード。ブルームフィルター。ブロックチェーンの構造。マークルツリー。分散型コンセンサス。Proof of Workの仕組み。ブロックチェーンフォーク。オルトコインとオルトチェーン。ビットコインの安全性。このようなことが書かれてある。巻末には日本で追加された解説がついている。

 AppendixのBIPのスナップショットは2014年秋現在のものでちょっと古い。翻訳もの特有の多少の読みにくさもある。また、あくまでもビットコインとそのためのブロックチェーンおよびそこから派生したものが中心で、ブロックチェーンのバリエーションについてはあまり広く書かれていない。一部でProof Of Stakeのものが紹介されたりしているが、例えばRipple, Hyperledger, Ethereumなどは載っていない。ただ、ビットコインを支える技術をきちんと学ぶための本としては非常に良い。海外では改訂版が出ており、日本でもそのうちそれに対応したものが出るだろう。

 

大型本、320ページ、エヌティティ出版、2016/7/14

 

目次

第1章 イントロダクション

第2章 ビットコインの仕組み

第3章 ビットコインクライアント

第4章 鍵、アドレス、ウォレット

第5章 トランザクション

第6章 ビットコインネットワーク

第7章 ブロックチェーン

第8章 マイニングとコンセンサス

第9章 その他のチェーン、通貨、アプリケーション

第10章 ビットコインの安全性

 

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術

ビットコインとブロックチェーン:暗号通貨を支える技術