密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものだと考えてきたので、このブログを立ち上げて日々読んできた本の備忘録として活用しています。

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人

著:ケント・ギルバート

 

「結局、 (TBSのNEWS23から)三十分以上もインタビューを受けましたが、実際に番組に使われたのは一分前後で、しかも最後の最後の、ほとんど余談とも言える部分だけが編集され、私の『笑い』が、あたかも安保法案反対派を冷笑し、馬鹿にしているようにイメージ操作され、結果的には、やはり彼らの都合のよいように使われました」。


 米カリフォルニア州弁護士のケント・ギルバート氏が、日教組や日本弁護士会やマスコミや一部政党を中心に日本に根強く残る自虐史観について、自身の経験も例に挙げながら、警鐘を鳴らした本。

 外国勢力と結託してきた日本の野党の実態。共産党がまるで護憲政党のように言われるが、共産党が守りたい憲法は第9条だけにすぎない。国民の生命財産を守るのは国家の義務であるのだから、安保法が違憲だというのであれば第9条自体が憲法違反である。スパイ天国である日本。日本の英字新聞に書かれていた日本を貶めるかのような事実とかけ離れた記事の数々。日弁連の弁護士たちの国連でのあきれた活動の数々。空襲体験だけで戦争を知っているといえるのか。自らも経験したマスコミの偏向報道のひどさ。国連は中立ではない。韓国と中国の反日。アメリカは日本の同盟国ではあるものの、自らの国益を日本のために妥協させることはない。日本は対等なパートナーシップを結べる実力をつける必要がある。

 一方で、左派による「ネトウヨ」というレッテル貼りによる手法と同様に、一部の保守や右派が行う安易な「在日認定」についても強く批判しており、そのような手法は欧米の分断政策の手法であると注意を促している。また、「シールズ」の若者たちと番組で会った感想として「意外とまともな若者たちだな」と思った、も書かれてあり、若者はいつの時代も無垢な情熱をもっているものであって、むしろ平和ボケした若者たちに影響を与えてきた教育界やメディアやこのような若者たちを最大限利用しようとしてきた左派の政治家たちに厳しい目を向けている。

 われわれが知らず知らずのうちに刷り込まれてきたことを、冷静に見つめなおすためのヒントを与えてくれる本である。

 

単行本、 255ページ、PHP研究所、2016/1/28
文庫、282ページ、PHP研究所、2017/11/2

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人

やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人