密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

美術

もっと知りたい刀剣: 名刀・刀装具・刀剣書

著:内藤 直子、吉原 弘道 日本刀の名品を紹介しながら、その特徴と歩みを独自の視点で語った本。薄いムック本であるが、オールカラーで写真中心の構成である。刀剣そのものだけでなく、拵(こしらえ)についても紹介している。刀剣の姿は時代によって異なる…

ボナール展の予習復習用にも最適。ピエール・ボナールの魅力と生涯。「もっと知りたいボナール 生涯と作品 」

著:高橋 明也、島本 英明 フランスの画家ピエール・ボナール(Pierre Bonnard,1867-1947)の作品をその生涯とともに紹介した本である。 ボナールは、ポスト印象派とモダンアートの間に位置するナビ派と呼ばれるグループの中心的な芸術家であり、日本美術が…

藤田嗣治作品集

著:清水 敏男 独特の乳白色の作品などで絵画の歴史に名を遺した藤田嗣治(1886-1968)の作品をその生涯とともに紹介した画集。 東京美術学校を卒業し、1913年にパリへ渡る。1921年にサロン・ドートンヌで発表した「裸婦」「自画像」「私の部屋」の3作が高い…

クリムトに関して日本で出版された本の中では今のところこれがベストと思われる、おススメの一冊。「グスタフ・クリムトの世界-女たちの黄金迷宮-」

著:海野 弘 2013年に出版された大型本の「クリムト作品集 」も画集としてはとても良かったが、解説等も含めると、グスタフ・クリムト(Gustav Klimt,1862-1918)について今まで日本で出版された中では、この本が最高のものだろう。手に取って、開いて、すぐに…

クリムト作品集

著:千足 伸行 グルタフ・クリムト(1862-1918)の作品集。美術展の画集に等しいサイズで、ページ数もそれなりにあり、印刷は大変良好。もちろん、オールカラー。 世界中の美術館や個人が収蔵しているものから集められていて、初期のものから、「ユーディッ…

絵画修復から見える画伯たちの技と名画の興味深いエピソードの数々。「修復家だけが知る名画の真実 」

著:吉村 絵美留 結構前の本だが、面白そうだと思って買った。実際、とても面白かった。著者は国内外の多くの画家の作品の修復を仕事としており、豊富な経験とエピソードに基づいて、絵画修復という仕事を紹介すると同時に、一般の絵画鑑賞ではわかりにくい…

オールカラーで、アントニ・ガウディの作品がたくさん紹介されている。「もっと知りたいガウディ―生涯と作品 」

著:入江 正之 「建築は安定性のみではない。安定性は建築の一部であって全体ではない。建築は芸術である。力学は骨格であり、骨組みである。しかし骨組みには、それに調和を与える肉が欠けている。あるいはそれを包む形態が欠けている。調和を持つなら、芸…

愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ

著:岩田 正崔 年間50万人が訪れ、そのうち50%がリピーターだという。箱根ガラスの森美術館について館長自らが語った本。 おおむね半分が写真のページとなっており、ヴェネチアングラスの逸品、館内の様子、見事な庭園、レストラン、14万5000粒のクリスタル…

もっと知りたい歌川広重―生涯と作品

著:内藤 正人 歌川広重(1797-1859)の代表作と特徴をその生涯とともに解説した本。80ページしかないが、オールカラーで印刷良好。ムック本サイズ。 三十俵二人扶持という微禄ながら幕府の御家人の長男として生まれる。数え13歳で両親を相次いで失って安藤…

やさしい配色の教科書[改訂版]

著:柘植 ヒロポン 配色の本。2018年の改訂版である。色の世界は、三属性と呼ぶ以下の3つの要素の組み合わせで成り立っているという。 ・色味の違い(色相) ・色の明るさ(明度) ・色の鮮やかさ(彩度) 色相は基準となる色(キーカラー)を中心に、類似色…

もっと知りたい狩野永徳と京狩野

著:成澤 勝嗣 狩野派は京都で始まったが、探幽(1602-1674)をはじめとする中枢は徳川幕府直属の家臣に取り立てられて江戸へ行き、探幽の瀟洒な作風を母体とする江戸狩野が誕生する。そして江戸狩野の一部は京都にも住んで御所の仕事を引き受ける。こちらが有…

学びたいレンズテクニックへのこだわり。サンプル豊富。『イラストでよくわかる 写真家65人のレンズテクニック』

著:魚住 誠一、GOTO AKI、小林 紀晴、鈴木 知子、鶴巻 育子、常盤 響、中井 精也、中野 耕志、沼澤 茂美、ハービー・山口、HABU、丸田 あつし、山崎 友也、吉村 和敏、米 美知子 「デジタルカメラマガジン」の別冊です。タイトルにあるように、レンズのテク…

現代美術コレクター (講談社現代新書)

著:高橋 龍太郎 日本の現代美術の魅力について語った本。著者は精神科医で、バブル崩壊後の日本であまりアートの買い手が盛り上がらなかった時期に現代アートに魅せられてコツコツ買い集めてきたというコレクター。 美術品のマーケットやコレクターについて…

芸術の東大。芸術の卵たちを育てるゆりかご。「最後の秘境 東京藝大:天才たちのカオスな日常」

著:二宮 敦人 ぱっとみて、「きっと面白いな、この本」と思ったが、実際は、その予想よりさらに面白かった本。国立の芸術大学である東京藝術大学(藝大)について、個性豊かな多くの在学生たちへの取材を重ねてまとめてある。 著者は小説家。学生結婚した奥…

「カバー、おかけしますか? 2」 本屋さんのブックカバー集

編集:中西晴代 全国の本屋さんのブックカバーの写真を集めた本。横長のサイズで、オールカラー。画質は良好。書皮大賞というのがあるそうで、その大賞作品、地方賞作品、特別賞作品が紹介されている。また、本屋さんのカバー展の作品も載っている。さらに、…

世界屈指の日本庭園と秀逸な所蔵作品。一度は足を運びたい。「足立美術館: 四季の庭園美と近代日本画コレクション」

監修:足立美術館 足立美術館の庭と収蔵作品を紹介した本。オールカラー。米国の日本庭園専門誌で10年連続日本一の庭園に選ばれている見事な日本庭園の四季折々の姿や、120点を誇る横山大観をはじめ、竹内栖鳳、川合玉堂、上村松園、橋本関雪などの絵画や、…

マツダをデザインが変えた!世界を感動させるMAZDA車のフォルムを生み出したチーム。「デザインが日本を変える 日本人の美意識を取り戻す」

著:前田育男 「信じるのはただ作品の力である。ただひたすら美しく、圧倒的で、目にした瞬間にその他大勢の製品がすべて色あせて見えるような傑作を作りたいと願っている私は、確かにとびきりのロマンチストであるのだろう」。 マツダのデザイン部門をひっ…

写真が豊富でオールカラー。解説もわかりやすくて丁寧な標準的な焼きものガイド。「すぐわかる産地別やきものの見わけ方」

(監修:佐々木 秀憲) やきものについての解説書。陶磁器の名品の写真が豊富に掲載されている。全てではないもののその多くがカラーページになっていて印刷も良いため、作品が映えている。また、産地別の解説がわかりやすい。文章と写真と図示によって各地…

日本の伝統色を愉しむ ―季節の彩りを暮らしに―

監修:長澤陽子、イラスト:エヴァーソン朋子 桜色(さくらいろ)、水色(みずいろ)、紅藤色(べにふじいろ)、菖蒲色(あやめいろ)、鶯色(うぐいすいろ)、東雲色(しののめいろ)、茜色(あかねいろ)、朱鷺色(ときいろ)、夏虫色(なつむしいろ)、今…

ミッフィちゃんの産みの親。オールカラーで写真や作品を多数紹介。「ディック・ブルーナのすべて 改訂版」

編集:講談社 「僕は子供たちにわかってほしいと思って描いてはいません。小さいころ欲しかったものを作っているだけです。人生の初期、特に幼いころというのは、幸せで、あたたかさに包まれて、健康的でなくてはいけません。そんな環境に育つことが力強い人…

もっと知りたいエル・グレコ―生涯と作品

著:大高 保二郎、松原 典子 「おそらくエル・グレコの絵画は当時のトレードにおいては、『アバン・ギャルド(前衛)』であったに違いない」。 エル・グレコ(1541-1614)の作品の特徴と一生について解説した本。オールカラー。薄いが、数多くの作品が掲載さ…

西洋絵画を楽しむなら知っておきたい。ビジュアル解説でわかりやすい、「鑑賞のためのキリスト教美術事典」

著:早坂 優子 西洋絵画はキリスト教の題材に基づいて描かれているものが多くある。つまり、画家の意図を正確に理解するには、絵画技法の知識だけでなく、キリスト教に関する知識が欠かせない。本書は、そのような視点からまとめられた本である。 絵画作品に…

マンガでわかる「日本絵画」の見かた: 美術展がもっと愉しくなる!

著:唐木 みゆ、監修:矢島 新 日本画の見方について解説した本。「マンガでわかる」とあるように、要所の説明において文章だけでなくマンガが用いられている。一般向けにやさしく書かれており、特に前提知識は必要ない。また、一般紙であって印刷も画集に比…

カラー版 - 横山大観 - 近代と対峙した日本画の巨人

著:古田 亮 近代日本画の巨匠、横山大観について書かれた本。新書サイズで数にも限りはあるものの、文章だけでなく、カラー印刷でいくつかの代表作の写真が紹介されている。 東京美術学校の第1期生であり、岡倉天と苦労をともにしながら師とあおぎ、強烈な…

ルネサンスの巨匠中の巨匠を5つの側面からビジュアル解説。「もっと知りたいラファエッロ―生涯と作品 」

著:池上 英洋 ラファエッロの生涯と作品を紹介した本。このシリーズは薄手ながらオールカラーで、作品の掲載が中心になっており、副題にあるように生涯と作品の特徴をシンクロしながら大変わかりやすく説明してくれるので、重宝している。個人的に本書で特…

首都圏 名作に出会える 美術館案内

著:オフィス・クリオ 首都圏の美術館を紹介した本。オールカラーで、各館の代表的な所蔵作品の写真を豊富に掲載しているのが特徴である。連絡先、開館時間、料金、アクセス情報なども、もちろん載っている。 国立西洋美術館、東京国立近代美術館、山種美術…

もっと知りたいミケランジェロ: 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

著:池上 英洋 存命中から「神のごとき」という形容詞付きで語られていたという。ルネッサンス期の巨匠中の巨匠であるミケランジェロ・ブオナローティ(Michelangelo di Lodovico Buonarroti Simon, 1476-1564)の作品と生涯を紹介した本。ムック本サイズでオ…

ミケランジェロ

著:木下 長宏 「学問的な分析はその精細な調査にまなぶことは多く、尊敬するが、いつのまにか、ミケランジェロを『学問』という枠の中に閉じ込めてしまっている。ミケランジェロは、いつもそういう枠からはみ出ようとしている、一つ一つの作品と向かい合っ…

神のごときミケランジェロ

著:池上 英洋 「お金持ちにはなった、でもいつも貧しく生きてきた」(コンディヴィの残したミケランジェロの言葉)。「私にはとんでもない妻がいる。芸術というやつで、いつも私を苦しめる」(ヴァザリー「列伝」より)。 西洋美術史の巨星、ミケランジェロ…

印象派への招待

編集:朝日新聞出版 アカデミーへの反発→モデルニ(現代性)、科学の発展、激動のフランス、チューブ絵具、ジャポニズム、画商・批評家、意外とお坊ちゃんな画家たち(やや貧しいモネの家にも使用人がいた)。印象派の誕生にはこのような背景があったとされ…