密林の図書室

人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考えており、このブログを立ち上げました。日々読んできた本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて

著:藤井 一至 アメリカ農務省の土壌分類(Soil Taxonomy)に基づき、地球上の土の特性について説明した本である。 この本の特徴としては、大きく2点ある。まず第一に、12種類のすべてにおいて、著者が代表的な場所に赴いて調査した結果と共に開設が行われてい…

日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化

著:山野井 徹 日本の土の特徴について解説している、大変読みごたえのある本である。日本はプレート活動及び火山活動が活発な位置にあるため地質構造の変化が頻繁である。赤玉土や鹿沼土は火山灰。しかし、関東ローム層が火山灰というのは誤解で、クロボク…

吉井理人の「投手論」

著:吉井理人 「投手に求められるのは傲慢とも受けとられかねないほどの攻撃的な姿勢であり、態度であるーそう自分に言い聞かせて、僕は二十四年間、日米七球団で野球を続けてきた」。 元プロ野球選手で、MLBでも32勝を上げ、北海道日本ハムで5年間コーチを…

タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)

著:志賀 櫻 読み進めながら、暗澹たる気持ちになる。累積赤字が膨れ上がる日本の財政と税金の関係を戦後の歩みと変化を振り返りながら紹介した本。著者は元大蔵省官僚の弁護士。 戦争中の反省から、財政規律を持っていた日本。日銀引き受けは禁じ手で、1965…

「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わしておけ」。こ、これを映画にするのか?「このマンガがすごい! comics 翔んで埼玉 」

著:魔夜 峰央 地味に話題になっていたので2016年に読みました。もともとは1980年代に描かれたマンガです。もう、思いっきり埼玉をもてあそんでいます。 ところがこの本、茨城県はもっとひどいことにされています。この本の主役は埼玉ではなく茨城かも、と思…

ピクルスと漬け物の歴史

著:ジャン・デイヴィソン、訳:甲斐 理恵子 2015年の世界の漬け物市場の取引額は110億ドル以上にのぼった。そのうち4分の1を日本が担い、僅差でアメリカが追っている。この両国だけで世界の漬け物市場の半分近くを占めるという。それに、メキシコ、ブラジル…

エコカー技術の最前線 どこまでも進化する燃費改善と排出ガスのクリーン化に迫る

著:高根 英幸 いわゆる「エコカー」と呼ばれる自動車の技術の概要をざっと紹介した本。それほど細密に解説されたものではないが、オールカラーで、各社のユニット部分の写真やモデルカーの写真や原理図といった資料が多く掲載されているのが特徴である。以…

セルフリノベーションの教科書

著:坂田 夏水 「海外のドラマや映画で、部屋や外壁をペイントしているシーンをよく見かけます。海外では普通なことなんですね。丁寧に手入れをしてきた家は、新築以上の価値をもつことを彼らは知っています。住まいというのは、手入れをすることで年月を経…

テレビドラマにもなった親子の型破りの中学受験の記録。「下剋上受験[文庫版] ―両親は中卒 それでも娘は最難関中学を目指した! 」

著:桜井信一 「この1年5か月の間、私は娘の真横で何百回と見てきた。問題が解けたときの感動の数々が生み出す『わたしはできるんだ』という気持ち。わたしは今日も頑張ったんだという清々しい気持ち。私は今日もやるべきことはやったんだという清々しい1日…

別冊歴史REAL 大日本帝国海軍 空母機動部隊全史 (洋泉社ムック)

大日本帝国海軍の機動部隊について紹介したムック本。真珠湾攻撃に多くのページが割かれており、後半の元攻撃隊員たちの証言も真珠湾攻撃についてのものである。CGや写真が多く掲載されている。 珊瑚海海戦、ミッドウェー海戦、マリアナ沖海戦、レイテ沖海戦…

ナショナル ジオグラフィック プロの撮り方 構図の法則

著:リチャード・ガーベイ=ウィリアムズ、編集:ナショナル ジオグラフィック、訳;関 利枝子、武田 正紀 主に構図を中心に写真を撮るときのテクニックについて解説した本。著者は野生動物や風景写真を得意とする写真家。風景写真を中心に多くの具体例が載っ…

つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線

編集:理化学研究所 脳科学総合研究センター 「本というのは一人で書くのに越したことはないのですが、脳研究の最前線を隅々までわかっている人はいないのです。…(中略)…一人の研究者がすべての最先端の脳研究について熟知することは、ほとんど不可能なほど…

この国で日々発生している膨大な食品ロスと廃棄。「賞味期限のウソ 食品ロスはなぜ生まれるのか」

著:井出 留美 日本の食品ロスの総量は年間632万トン。これは世界の1年間の食糧援助の総量である320万トンの2倍に迫るほどの量である。それだけ膨大な食品を日本は1国だけで廃棄している。 また、この632万トンの廃棄量のうち約半分の302万トンが消費者由来…

海外では無名。出身地のドイツでも知られていない。どうしてそれが日本で?「バイエルの謎: 日本文化になった教則本」

著:安田 寛 本書にあるように、1990年代に批判を浴びるようになってから人気はもうひとつになってきたものの、かつて日本で最初にピアノを習うときの教則本といえば「バイエル」だった。 本書は、この教則本を生み出したバイエルとは誰なのか、それが日本で…

人工知能の作り方 ――「おもしろい」ゲームAIはいかにして動くのか

著:三宅 陽一郎 ゲームにおけるAIの活用について述べた本。技術や人工知能理論というより、コンセプトレベルの話が中心である。よって、数式を用いた論理解説やプログラミングレベルの話は無い。その一方で、概念を図表や絵に表現したものがいろいろ入って…

トコトンやさしいSCMの本(第2版) (今日からモノ知りシリーズ)

著:鈴木 邦成 SCM(Supply Chain Management)の本。「トコトンやさしい」とあるように、本当に優しく書かれてある。社会人としての世間の一般常識が備わってさえいれば、それ以外の前提知識は不要、といえるくらい易しい。ABC会計と相性がよい、というような…

海に面した30の無人駅。「海駅図鑑 海の見える無人駅」

著:清水浩史 全国30の海に面した無人駅を旅行記風に紹介した本。巻頭部分にそれぞれの駅を撮影したカラー写真があり、あとはモノクロ印刷で一部写真入りの文章が続く。 ホームに立つともう海の気配しかないという北舟岡駅(北海道)の近くにはバッタ塚があ…

東西名品 昭和モダン建築案内

著:北夙川 不可止、写真:黒沢 永紀 「いま、グローバル化が進むなかで、その弊害といわれる均質化を回避し、文化特性を守ろうとする動きが世界各国で起きているという。たしかにグローバル化と個別の文化はパラドックスのようにも思えるが、建築に限らず、…

万引き依存症

著:斉藤章佳 万引き依存症についての本。著者は、万引き依存症治療に取り組んでいる精神健康福祉士・社会福祉士。著者のクリニックでの経験と統計及び一般的な情報を元に書かれている。最後は万引きGメンとして有名な人との対談もある。 万引きは同じ人が何…

よくある兵器の紹介ではなく、自衛隊の組織や運用といったソフト面に重点が置かれている。「図解でわかる自衛隊のすべて」

著:自衛隊の謎研究会 自衛隊について説明した本。10式戦車、いずも型DDH、C-2戦闘機などの簡単な説明や、巻末に主要な兵器の縮小解説が載ってはいるものの、兵器の話はあまり多くはない。 この本の中心になっているのは、自衛隊の組織、編成、自衛隊員の1日…

図解が多くて薄いので不整脈について基礎的な知識を得るのに好適。「不整脈・心房細動がわかる本 脈の乱れが気になる人へ (健康ライブラリーイラスト版) 」

監修:山根 禎一 不整脈は、心臓の動きのリズムや速さに異常が起き、脈が乱れる状態である。不整脈がすべて病気ということはなく、放置しておいても問題のない正常範囲の乱れが多い。しかし、すぐに死亡につながりかねない病気が不整脈となって表れているも…

やさしく、わかりやすく、CD2枚付きなのにお手頃価格で、幅広くおススメできるビジネス英語教材。「NHK CD BOOK 入門ビジネス英語 10億人に通じる! やさしいビジネス英会話 (語学シリーズ)」

著:柴田 真一 NHKのビジネス英語の本です。CD2枚付き。「入門」「やさしい」とあるように、TOEIC 550点もあれば十分手が届くだろうと思われる内容です。 Lesson 48まであり、実際のビジネスシーンを想定した会話例、Shadowing用の読み上げ、Key Phrasesが載…

テキスト・マイニング技術と機械学習で明らかになった売れる小説の原理。『ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム 』

著:ジョディ・アーチャー、マシュー・ジョッカーズ、監修:西内啓、訳:川添節子 テキストマイニングと機械学習を用いて、アメリカでベストセラーになった小説とあまり売れなかった小説をコンピュータで比較。売れる小説というのはどういう特徴を備えたもの…

Twitterの基本。「今すぐ使えるかんたんmini Twitter ツイッター 基本&便利技 」

IT

著:リンクアップ Twitterは簡単に使える。ただ、使い慣れるまでは、細かいところでよくわからないことが出てくることはあるし、このやり方でいいのかなと思うようなこともある。やはり、ハンドブックのようなものは、手元にあったらあったで便利なことには…

具体的なポイントが書かれている。「たいていのことは20時間で習得できる 忙しい人のための超速スキル獲得術」

著:ジョシュ カウフマン、訳:土方 奈美 超速スキル獲得法を説いている本。著者によると、獲得したいスキルに対して戦略的に取り組むには、以下のような4つのステップを踏むと良い。 分解:スキルをできるだけ小さな「サブスキル」に分解する 学習:個々の…

これは泣ける。浅田次郎の長編小説。「天国までの百マイル」

著:浅田 次郎 母の命を乗せて走る100マイルの物語。 これは泣ける。確かに泣ける。かつての事業の成功は過去のものとなり、 離婚して妻子とも別れ、苦しい生活を続ける城所安男。 そんな男が、重度の心臓病を抱え生命の危機を迎えた母親を、借りたワゴン車…

高倉健主演の映画にもなった表題作を含む8作品。平成の泣かせ屋、浅田次郎の傑作短編集。「鉄道員(ぽっぽや)」

著:浅田 次郎 この本は、通勤・通学の電車やバスの中で読むのはおすすめできない。実際、止めておいて本当によかった。 「平成の泣かせ屋」として知られる作家の短編集。 以下の8つの作品が収録されている。 鉄道員(ぽっぽや) ラブ・レター 悪魔 角筈にて…

名曲の数々を送り出した作曲家が残した著作。『昭和歌謡1945~1989 歌謡曲黄金時代のラブソングと日本人』

著:平尾 昌晃 懐かしい空気が漂っている。ずらりと並ぶ、戦後に生まれた昭和の名曲たち。これらを、年代別の傾向の変化や秘話と共に語った本。昔の歌を振り返る企画はTVではおなじみだが、本書は以下の点で特徴がある。 まず第一に、昭和を代表するメロディ…

ワークショップをうまく進めるにはどうすればよいか。「ワークショップデザイン――知をつむぐ対話の場づくり(ファシリテーション・スキルズ)」

著:堀 公俊、加藤 彰 ワークショップをどのように進めるかについて書かれた本。具体的かつ体系的に書かれているのが特徴である。 ワークショップには、組織型(問題解決型)、社会系(合意形成型)、人間系(教育学習型)およびそれらの複合型がある。 ワー…

首席侍女としてマリー・アントワネットを支え、ルイ16世に信頼され、のちにナポレオンからも厚遇された才女の激動の生涯。「カンパン夫人:フランス革命を生き抜いた首席侍女」

著:イネス・ド・ケルタンギ、訳:ダコスタ吉村花子 「私たちが生まれる時代を選んだのではありません。天の思し召しによって、試練の時代に生まれたのです」 (カンパン夫人からオルタンス・ド・ボアルネ宛の手紙より)。 ジャンヌ=ルイーズ=アンリエット・…