密林の図書室

日々読んでいる本の備忘録を兼ねた書評と内容の概要紹介及び読書感想をまとめたブックレビューのブログです。人生は短く、経験からのみ得られることは限られます。読書から多くのことを学び、アウトプット化も本との対話の一部として大切なものと考え、このブログを立ち上げました。過去に別名でAmazonのレビュー欄に掲載したものとそちらには未掲載のものがあり、後者は「Amazonレビュー欄未掲載」タグをつけてあります。

飢餓や戦乱や近隣との争いといった過酷な状況の中の中世日本の村と百姓。「中世民衆の世界」

著:藤木 久志 日本の中世の百姓たちの行動と村の内実を、様々な古文書の記述から推測したもの。今までの常識に異を唱えているところもある。中世の村のしくみについて基本から系統立てて説明している本ではなく、ある程度中世の村と支配体制についての基礎…

自覚!自信!自己主張!「ツカむ! 話術 (角川oneテーマ21) (新書)」

著:パトリック・ハーラン 話術についての本。著者によれば、話す力は生まれつきのものではないという。そして、アメリカでは小さい時から、人の話を聞いてそれにさっと反応することや、自分自身の考えをはっきり言うことを徹底的に教え込まれるという。 特…

サツマイモの世界 世界のサツマイモ: 新たな食文化のはじまり

著:山川 理 日本の食料輸入が止まったらどうすればいいか。実際にそのようなシミュレーションが日本国で行われたことがある。著者はそのプロジェクトのまとめ役を担った。 その結果、食糧危機があっても計算上はサツマイモを200万ha以上作れるので、必要カ…

カタログ的な本ではなく、兵器としての戦車の汎用知識がよくまとまっている。「図解 戦車 (F-Files No.012)」

著:大波 篤司 戦車の本。地味なつくりだが、よくある、こういう戦車があるというカタログ的な説明の本ではなく、テーマごとに戦車という兵器がどのようなものであるかを丁寧に説明したものになっている点が良い。 攻撃力・防御力・機動力。カタログではわか…

江戸のベストセラー

著:清丸 惠三郎 江戸時代に誕生したベストセラー本について、その背景や作者や内容や、どうして当時おおいに受け入れられたのか、について解説した本。 取り上げられているのは、『嵯峨本』、『塵劫記』、『好色一代男』、『武鑑』、『曽根崎心中』、『解体…

なぜ、ユニフォームは、働く人を美しく魅せるのか?

著:長尾 孝彦 日本のユニフォームの市場は年間5000億円くらい。通常のアパレルとは違い、高い耐久性と機能性が求められ、企業によっては何年も同じユニフォームを利用するので長期間在庫を抱えて安定的に供給することが必要になる。 ユニフォームは、ワーキ…

木を知る・木に学ぶ (ヤマケイ新書)

著:石井 誠治 木について、植物的な知識だけでなく、文化や歴史的な話を絡めて解説している本。著者は、樹木医や森林インストラクターをしているという。まじめに、淡々と書き綴られており、以下のような構成になっている。第1章 木を学ぶ第2章 木と人間…

整理・整頓が人生を変える: 毎日がイキイキする「ライフファイリング」の方法

著:小野 裕子 整理・整頓の本。モノというよりは、書類や思い出の記録や各種情報といったものの整理方法について書かれてある。「ライフファイリング」というのはそのような意味である。 整理と整頓は違う。ToDoリスト。ファイリングの基本動作は、捨てる・…

株式投資におけるバリュー投資の大切さ。「ピーター・リンチの株で勝つ―アマの知恵でプロを出し抜け」

著:ピーター リンチ、ジョン ロスチャイルド、翻訳:三原 淳雄、土屋 安衛 「株を底値で買えるとは思ってはならない」 「ナイフが地面に突き刺さり、しばらく揺れ動いた後、しっかり止まってからつかむのが正しいやり方」 「くだらない安い株は、くだらない…

アイリスオーヤマの経営理念 大山健太郎 私の履歴書

著:大山 健太郎 42歳の若さで末期ガンの父親が他界し、社員5人の関西の小さなプラスチック工場の後を継いで社長になったのは19歳のとき。 不眠不休で働き、工夫を重ね、何度か危機に直面しながらもそれを乗り越えて現在の『アイリスオーヤマ』を築いた大山…

困ったときの 英会話ごまかしフレーズ120

著:佐久間 治 どう返事すればいいか困ったときに、とりあえず切り抜けるためのフレーズを120個集めて紹介した本。相手にしゃべらせる、明言を避ける、波風を立てずにやり過ごす、というような7つの章に分類されて、以下のような表現が載っている。It depend…

愛の言葉 箱根ガラスの森美術館のひみつ

著:岩田 正崔 年間50万人が訪れ、そのうち50%がリピーターだという。箱根ガラスの森美術館について館長自らが語った本。 おおむね半分が写真のページとなっており、ヴェネチアングラスの逸品、館内の様子、見事な庭園、レストラン、14万5000粒のクリスタル…

CDでわかる ショパン鍵盤のミステリー

著・演奏:仲道 郁代 「せき込むような短調の旋律が、中間部で一瞬のうちにやわらかい長調に転調する、ショパンならではの匠の技です」。 「たった一音のちょっとした変化でふわっと色彩を変えてしまう。こんなところにもショパンの美意識を感じます。1拍に…

リアルな地下アイドルがわかる。「職業としての地下アイドル 」

著:姫乃たま 自身も地下アイドルをやっている著者が、地下アイドルの世界について一般向けに書いた本。著者は、中学でいじめに遭い、高校生の時に地下アイドルになり、一度鬱になって引退して、また復活して地下アイドルを続けている。そういった中で地下ア…

嘘だらけの日独近現代史 (扶桑社新書)

著:倉山 満 「嘘だらけシリーズ」の完結編。このシリーズはすべてそうだが、著者の毒舌調の解説が特徴で、本書でもそれは随所に出ている。もっとも、日本との関係ということでいくなら、この本以前の日米・日英・日中・日露でも指摘されている重複している…

大変よくまとまった質の高い金融英語の本。「外資系金融の英語 」

著:齋藤浩史 金融英語を解説した本。著者は、イギリスに留学し、ゴールドマン・サックスなどの投資銀行で働いてきた経験を持つ。「外資系金融の英語」というタイトルになっているが、これは著者のキャリアのアピールも含まれているのではないかと思われる。…

夏の庭―The Friends (新潮文庫)(2018年新潮文庫の100冊)

著:湯本 香樹実 死について関心を持った3人の少年。 彼らは、近所の一人暮らしの老人が死にそうだという噂を聞きつけ、 好奇心から毎日観察を始める。そして。。。 泣ける本、という噂だったが、どうやら私は冷徹な人のようで、とくに涙することもなくあっ…

ジブリの仲間たち (新潮新書)

著:鈴木 敏夫 「映画がヒットするには、3つの要素が必要です。まずは『制作』。内容がおもしろくなければ話になりません。『配給・興行』も大切です。いい映画を用意できなければ、観客数は伸びません。その間をつなぐのが『宣伝・広告』の仕事です。」 ス…

健康で長生きするための4つのポイント。『NHKきょうの健康 「筋肉」「骨」「歯」「認知症」の最新対策 (生活シリーズ)』

編集:NHK「きょうの健康」番組制作班、主婦と生活社ライフ・プラス編集部 老化を完全に防ぐことはできないが、病気の早期発見・早期治療に努めると同時に、体の衰えを防ぐことで、健康な状態で長く生活することは可能だという。ではどうすればそれが可能な…

お値段以上。ニトリ創業者。「運は創るもの ―私の履歴書」

著:似鳥 昭雄 「父は余り成績のことを言わなかった。『おまえは頭の悪い人間が結婚して生まれた子だ。だから勉強ができないのは当たり前だ』というのが理由だ。もっとも後がある。『だから人より努力するか、人のやらないことをやるかだ』」。 日本経済新聞…

ただただ不毛で不条理。「応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱 」

著:呉座 勇一 「これだけ大規模で長期にわたる戦乱なのに、大名たちが何のために戦ったのか見えてこないというのは不思議である。劇的で華々しいところがまるでなく、ただただ不毛で不条理。これが応仁の乱の難解さ、ひいては不人気につながっているのだろ…

ほんとうは、日韓併合が韓国を救った! (WAC BUNKO)

著:松木 國俊 以前は取り立てて問題にしていたわけではない旭日旗を戦犯旗だというキャンペーンを世界的に始めたりするなど、韓国側の歴史認識はかえってひどくなっている面もあるが、日本国民の日韓併合時代の歴史認識についてはこの本のオリジナルが出た…

三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち (ブルーバックス)

著:藤岡 換太郎 なかなか面白い本だった。少なくとも、かつて教科書等でいろいろな岩や石の種類をみてクラクラしてあまり興味を持てなくなった経験がある人は、これを読むといくらかすっきりした気持ちになれるかもしれない。岩石は様々な種類に分類される…

Webを支える技術 -HTTP、URI、HTML、そしてREST (WEB+DB PRESS plus)

IT

著:山本 陽平 Webシステムの実装に必要な基本知識をまとめて解説した本。REST(Representational State Transfer), URI, HTTP, JSON, JSONとクロスドメイン通信, RDF(Resource Description Framework)とmicroformats, Atom, OpenSearch, AtomPub, リソース設…

西城秀樹本人のエッセイと、35年間つきあってきたカメラマンが撮り続けてきた貴重な写真の数々。「THE 45」(単行本)

著:西城秀樹、写真:武藤 義 西城秀樹の写真を中心にしたフォトエッセイ。子供の頃に熱烈なファンで、たまたま近年、西城秀樹が出演するコンサートにも足を運んだ嫁が買った。ちなみに、かつてファンで、最近になってまた秀樹のファンに復活した人を、「ブ…

マンガ好きのためのマンガ家インタビュー集

編集:ポストメディア編集部 1本を除き、雑誌で連載された漫画家のインタビューをまとめて一冊にした本。全編白黒。各マンガ家の簡単なプロフィールや作品のレビューもついている。本書の中心であるインタビューの内容は結構面白い。いくつか拾ってみる。 「…

博多あるある

著:岡田 大 著者は福岡県出身ではない。東京出身である。しかし、このような本は、よそ者の視線がないと作れないのだそうだ。博多のあるあるを取材して集めた本。挿絵を交えながら、ちょっとコミカルに、紹介している。例えば、次のようなことが載っている…

決定版太平洋戦争⑨日本降伏 天皇・陸海軍・米ソそれぞれの戦い (歴史群像シリーズ)

著:片岡 徹也、纐纈 厚、佐藤 卓己 「これ以後日本政府は、軍部の動向を警戒・牽制しつつ、連合国側とのあいだに国体護持の確証を得ようとする。その一点だけのために、実に二ヶ月以上の時間を費やすことになるのである」。 豊富な資料で太平洋戦争を振り返…

リセットする力 「自然と心が強くなる」考え方46(ロシアワールドカップ日本代表 酒井宏樹選手の本)

著:酒井 宏樹 サッカーフランス一部リーグ名門マルセイユの右サイドバックで、日本代表としてもロシアワールドカップで活躍した酒井宏樹選手の本。 柏のジュニアで試合に出られなかったこと。ネルシーニョ監督時代につかんだチャンス。ドイツに移籍して苦し…

戦略・戦術でわかる太平洋戦争―太平洋の激闘を日米の戦略・戦術から検証する (学校で教えない教科書)

著:太平洋戦争研究会 本書は太平洋戦争研究会が編纂している。たとえば、木村兵太郎率いるビルマ方面軍司令部の唐突なラングーン放棄などについては載っていないし、全体的にそれほど深い内容ではない。しかし、太平洋戦争の重要なポイントについてはおおむ…